松坂屋銀座店が閉店した。
銀座松坂屋は関東大震災の翌年、大正13年に営業を開始。銀座最古の百貨店で、土足で入店を許可したり、銀座でも洋服を着ている女性がいなかった頃に洋服姿のエレベーターガールを登場させるなど、世間をあっと言わせる、斬新で最先端のデパートだったそうだ。日本の高度成長と共に隆盛を極めたかに見えたが、バブル崩壊、ユニクロやZARA、H&Mなどに代表される安価な洋服屋の台頭など、寄る年波に逆らえず、88年の歴史に幕が下ろされた。
4年後に、隣接するビルなどを含めた再開発で、新しい商業複合ビルがスタートされる予定だが、松坂屋の名前が残るのかどうかは明言されていない。公式WEBページには「一旦営業を終了しました。また逢う日まで。」と記載されているが、わずか4年後のプランが現時点で具体的になっていないことが報道されている。

松坂屋は他にも店舗を持っており、倒産したわけではないが、筆者はここ数年で百貨店業界のさらなる再編が行われると予想している。基本的には『三越伊勢丹』を模した統合化が進むと予測しているが、地方の百貨店はその限りではない。破たんする百貨店が出るだろう。
さて、百貨店を運営する会社が破たんした場合、その百貨店が発行した「
全国百貨店共通商品券」は使えるのだろうか?
「
全国百貨店共通商品券」は、各百貨店が発行しており、発行した百貨店でなくても百貨店なら全国どこの百貨店でも使用することができる。尚且つおつりも出る商品券なので贈り物などに大変人気だ。しかしこの「どこの百貨店でも使える」という認識でいると、発行元が倒産しようと統合しようと価値は変わらないと思いがちだが、結論から言って、
発行元が倒産した場合は使えなくなる。
実際に使えなくなった全国百貨店共通商品券の発行元は下記の8社。
●(株)諏訪丸光(長野県諏訪市)
●(株)中三(青森県青森市)
●大浦(株)(店名:都城大丸)(宮崎県都城市)(㈱大丸松坂屋百貨店の大丸とは関係なし)
●(株)松屋((株)松屋友の会)(福岡県大牟田市)(東京銀座・浅草の(株)松屋とは関係なし)
●(株)松菱(静岡県浜松市)((株)津松菱(三重県津市)とは関係なし)
●(株)大黒屋(福島県いわき市)
●(株)丸正(和歌山県和歌山市)
●(株)上野百貨店(栃木県宇都宮市)
以上
しかし、財務局にて「前払式証票の規制等に関する法律」に基づき手続きをすれば、おおよそ
未使用分商品券の額面の半額程度が還付される救済措置が用意されているので、即時、全くの「
紙くず」になってしまうわけではない。ただし、この還付手続きには期限が設けれられている。最寄りの財務局から手続きの方法など公示されるが、面倒なことこの上ないので、こういったリスクは事前に回避するのがベター。
全国百貨店共通商品券は、有効期限が設けられていないため、いつか使おうと、引き出しにしまったまま何万円も眠らせているケースが多い。使う予定がないのであれば、金券ショップが買取りをしているので、売却してしまった方がいい。額面の96%前後なら悪くない買取価格だ。
電鉄系百貨店ならまだしも、呉服屋からスタートしている老舗の百貨店発行の全国百貨店共通商品券を眠らせている場合は、もったいないので使うか売るか検討することをお勧めする。
画像は全国百貨店共通商品券の裏書で、【発行元に破産等一定の事由が生じた場合には、他の百貨店でご利用いただけないことがあります。】と記載されている。
スポンサーサイト
テーマ:生活・暮らしに役立つ情報 -
ジャンル:ライフ